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市毛 悟*; 三原 守弘; 大井 貴夫
JNC TN8430 2001-007, 56 Pages, 2002/01
放射性廃棄物の地層処分では、廃棄物への地下水の浸入と廃棄物からの核種の溶出及び移行を抑制するため、低透水性で収着能を有したベントナイトと呼ばれる粘土の使用が検討されている。一方、処分施設の構造材や埋め戻し材等として、セメント系材料の使用が検討されている。セメント系材料と接触した地下水はアルカリ性を示し、膨潤特性の劣化などベントナイトの性能に影響を与えることが予想されている。そのため、処分システムの安全評価を行うためには、処分環境におけるベントナイトの変質について検討するとともに、ベントナイトの長期的な変遷挙動を予測することが重要となる。本研究では、ベントナイトの変質の結果生じる鉱物を確認することを目的として、3種類の試験溶液(Ph=7,12.5,14)と粉末ベントナイトを用いた高温条件(200)でのバッチ浸漬試験を実施し、セメント系材料の影響として報告されている層間陽イオン交換、ゼオライト化、バイデライト化、シリカセメンテーション及びC-S-Hゲル化の生成について検討した。試験の結果、液相中のNaイオン濃度の増加とCaイオン濃度の減少からベントナイトのカルシウム化の可能性を確認するとともに、浸出陽イオン量を用いた概略的な解析からCa化を定量化した。また、液相分析の結果及び平衡論を用いたアナルサイムの安定性解析の結果から、アナルサイムの生成にはケイ素の溶出にかかわる溶液のPhに加え、溶液中のナトリウム濃度が影響を与えている可能性を具体的に示した。 今後はこれらの要素試験的な結果を踏まえ、処分環境下での長期的なベントナイトの変質挙動について検討していく。
田中 忠夫; 山本 忠利
Radioisotopes, 43(7), p.389 - 396, 1994/07
自然環境の通気層中に生じる不連続な水の流れの条件下におけるSrの移行挙動を明らかにするため、Srで汚染させた砂質土壌層へ脱イオン水を断続的に流下するカラム移行実験を行った。流れの停止回数が増すに従って、陽イオン性Srの土壌層中移行速度は増大する傾向を示した。この原因は、土壌から間隙水中へ溶出するCaの濃度が流れの停止期間に増加することにより、Srの分配係数が減少するためであるとみなされた。土壌層流出液のCa濃度から推定したSrの分配係数と土壌層におけるSrの移行速度から得た分配係数とは、流れの停止回数に伴う減少傾向がよく一致した。
奈良 禎太*; 桑谷 隆太*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀
no journal, ,
放射性廃棄物地層処分では、天然バリアとなる岩盤は放射性物質の移行を抑制する機能が期待される。岩盤に存在するき裂を修復することにより、岩盤の放射性物質の移行を抑制する機能を向上させられるので、放射性廃棄物の地層処分を考える上で有意義である。本研究では、カルシウム分を含む水中環境に1ヶ月保存した岩石表面に鉱物が析出するかどうかを調べることとした。特に、カルシウムイオン濃度の異なる環境下に岩石を保存した場合、岩石表面への鉱物析出がどのように異なるかについて調べた。